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ノイタミナオンデマンドCREATORS INTERVIEW

『ノイタミナ』に携わるクリエイター達にスポットを当てたインタビュー記事を公開

Special Interview

湯浅政明MASAAKI YUASA

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PROFILE
『四畳半神話大系』監督、『ピンポン』監督。『四畳半神話大系』はTVシリーズとしては初の2010年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞した。
ノイタミナはチャレンジングな作品ができる枠

初の地上派TVシリーズとなった

『四畳半神話大系』

湯浅監督がノイタミナに参加されたのは『四畳半神話大系』だと思うんですけど、それ以前にノイタミナに対してどんなイメージをお持ちになっていました?

湯浅前はよく聞いていて、『墓場鬼太郎』とかちょっと変わったテイストの物をやっている印象でした。

『四畳半神話大系』の放送がノイタミナに決まったときは、どんな印象をおもちでしたか?

湯浅僕にとって初めての地上波で放送されるTVシリーズがノイタミナだったんです。それもあって僕としては最初「メジャーな地上波だ」という印象が強かったんですね。でも、ノイタミナの作品群をよくよく観てみると、いろいろチャレンジングな作品をやっているところなんだなという印象になりました。

ありがとうございます。ノイタミナの作品の中で記憶に残っているものはありますか?2014年1月期までに53タイトル、500以上のエピソードが放送されたわけですが。

湯浅ノイタミナというと『ハチミツとクローバー』もヒットしていて、『Paradise Kiss』も知り合いの小林治さんがやっていて……。オシャレなのが多かったですよね。『墓場鬼太郎』も昔の漫画のテイストを活かしていたし。すごくビッグタイトルが多い印象ですけど、いきなりオリジナル作品もやっていたり……。オリジナル作品というと『怪 ~ayakashi~』が話題になってたんですよね。たしか、この作品がTVシリーズに拡大されたんでしたっけ。

三編のうち一編『化猫』からオリジナル作品の『モノノ怪』というTVシリーズができました。

湯浅「へ~!」という感じで。その『モノノ怪』シリーズをやっていた中村健治君は、ノイタミナ作品をたくさんつくっているんですよね。でも、僕はそうじゃないから、「僕と中村君の違いは何!?」って思ってました(笑)。

企画の根幹にかかわる

部分を理解しているのに驚いた

『四畳半神話大系』のお話が来たときは、湯浅監督はどんな印象をお持ちでしたか?

湯浅企画がよかったですね。森見さんの分かりやすくトリッキーな原作、キャラクターデザインはその表紙の中村佑介さん、シリーズ構成は京都の劇団の上田誠さん(ヨーロッパ企画)。主題歌も中村さんつながりでアジカンさんでと。でも、個人的には映画『マインド・ゲーム』でも似たテーマを取り扱っていて、「また、これをやるのかな」というのが第一印象だったんです。現実に何かを求めている人たちが、自分の現状とは違うものを求めて右往左往した結果、自分が見えていなかったことに気づく。というのは、『マインド・ゲーム』にも共通するテーマだったんです。

たしかに、そうやって見ると『マインド・ゲーム』と『四畳半神話大系』は似ていますね。

湯浅そのとき、フジテレビとアスミック・エースが「四畳半主義者の会」という制作体制をつくってくれたんですけど、その中心人物の女性2人が、この『四畳半神話大系』の物語を、すごく深く把握していて。この作品の根本みたいなところを企画の最初から言っていたんです。僕は最初、その言っていることにピンと来ていなかったんですけど、制作を進めていくうちに「なるほど」とわかってきたんです。

どんなお話をされたんですか?

湯浅この作品は「主人公がやせ我慢をする話なんだ」「結局、主人公は小津に行く話なんだ」と。その2人の女性がそういうポイントを、ずっと言っていたんですよね。打ち合わせのときから、2人が言っていることを理解しようとして努力していたんですけど、それが腑に落ちるまではちょっと時間が掛かりました。

腑に落ちた瞬間はいつごろだったのでしょうか?

湯浅第1話に入り込んだときだったと思いますけど、つくっているときに「あ、そういう風にすればいいんだ!」ってピンときて。そのときはじめて「2人は最初から言ってたんだな」と気づいたんですよ。ああ、この作品は「企画段階でしっかり練られていたんだな」と思いました。

(続く)

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