NOITAMINA
OFFICAIL WEBSITE

SHARE

ノイタミナオンデマンドCREATORS INTERVIEW

『ノイタミナ』に携わるクリエイター達にスポットを当てたインタビュー記事を公開

Special Interview

渡辺信一郎SHINICHIRO WATANABE

008-B

PROFILE
『坂道のアポロン』監督、『残響のテロル』監督
『残響のテロル』はドライなアクションになる

ジャズのセッションを

アニメで描く苦労

『坂道のアポロン』では、演奏をアニメーションにするのにも手間がかかっていますよね。

渡辺あれはまず音楽の録音時に、カメラ10台ぐらいで実写を撮影して、その実写をまず編集しているんです。それが出来てからやっとアニメ制作に入るんで、アニメの前に実写の映画を一度作ってるようなものです。仕事量も普通の倍で。

カメラを10台も回していたんですね。

渡辺基本的に、ジャズの演奏って簡単な譜面しかなくてあとはアドリブなんで、同じ演奏は二度とできない。録画も一発勝負です。

作画は、編集した映像を参考にしているんですか?

渡辺そうですけど、そのやり方もいろいろあって、試行錯誤しながらシリーズを作っていたので。「こうやればいいんだ」というのがやっと形になったのは最終回でした。

ひとまとまりの物語は

1クールに向いている

全12話、1クールという長さはどうでしたか。

渡辺『坂道アポロン』に関しては、原作の長さからいうと15、6本分の長さで、12本に入れるのは結構駆け足だったけど、現場的には12本が限界でしたね。山本(幸治)プロデューサーの意向で、毎回演奏シーンを入れることになったんだけど、その演奏シーンを作るのが毎回もう大変で、そのために現場は死にそうになっていたので(笑)。さすがに2回ぐらい演奏のない回も作らせてもらいました。あと1本多かったら、スケジュール的に間に合わなかったでしょう。

初めての1クール作品を手がけられて、いかがでしたか。

渡辺ひとつながりのまとまったお話をやるには1クールとはちょうどいい長さじゃないかな。一話完結の、毎回いろいろな題材を取り上げていく『スペース☆ダンディ』のようなシリーズは、2クールほしい感じですが。

そして、やはり1クールものである最新作『残響のテロル』はどのような内容になるんでしょうか。

渡辺ひとつながりのストーリーを見せるという点で、『残響のテロル』も1クール向けの題材ですね。ナインとツエルブという2人の少年が“スピンクス”を名乗って、日本中を巻き込んだゲームを始めるところから物語が始まります。サスペンスアクションという側面がひとつあって、『24』や『SHERLOCK』など海外ドラマが好きな人にも楽しんでもらえるんじゃないかと。あともうひとつの側面として、青春ものとしての側面もあるので、どちらのファンにも楽しんでもらえるようなドラマにしたいですね。でも、そうやって娯楽として楽しんだ上で、ちょっと考えさせられたり、今の日本の置かれた場所みたいなものを考えるきっかけにもなればいいなと思っています。見終わった後、何かが残るような…。

ある意味で「ノイタミナ」らしい挑戦的な内容ですね。

渡辺こんな野心的な企画を通すなんて、「ノイタミナ」もなかなか度量が深い(笑)。放送を楽しみに待っていただければと思います。

(終わり)

TITLE

閉じる